Dalis Carとミックカーン

goth-daliscar

初めてこのアルバムを聴いたのは

たしか

大学生の頃だったと思う

 

まだCDが出たばかりで

どちらかというとアナログが多かった時代

 

ジャケ買いという言葉があって

(いまもある?)

それこそジャケ買いした1枚

 

このアルバムはなぜかあの頃の私に

異様なまでの郷愁を感じさせてくれるアルバムだった

 

ミックカーンが好きだったのは

もしかしたらベースラインではないのかもしれない

と最近思う

 

もちろん彼のベースは大好きで

いつも曲を作る時は

ミックのベースをイメージしている事が多い

 

でも単純にベースの独特なフレーズという

ことじゃないんだ

 

彼の持っている、空気感というのか

見ている世界観に引き込まれた

 

私の中に

前世の記憶だと思われる景色がある

 

天国のような美しい自然、

屈折率が違うような、不思議な色の光

澄んだ空気と幻想的な色の植物

そしてギリシャ神殿のような美しい柱と建物

半透明の人間

 

中学のとき、美術の授業で

あなたの空想の世界を描くという課題で

夢中になって描いた

 

先生が半透明な人間をみて

幽霊かと思って怖がっていたのを

覚えている

 

でも違うんだ

あれは、まだ人間が神様に近かった時代の

記憶なんじゃないかと私は思っている

 

それがこのジャケの絵と

すごくリンクした

 

地球なのか

他の星なのかわからない

 

きっとミックカーンは

それを知っていると

私は思った

 

この記憶を、シェアできる人が

欲しかった

これを覚えているのは

私だけじゃないというのが

とてもうれしかった

 

大学生の私は

いつかミックカーンと共演したいと

夢見ていた

 

ミックが亡くなったのは

私の母が亡くなった年と同じだった

 

母の事で頭がいっぱいで

ミックが亡くなったのを知らなかった

 

先日、とある知人から

ミックの遺作となったDalis Car の

2枚目のアルバムを頂いた

(彼も同じ記憶を持っているのかもしれない)

 

聞きながら、ブックレットを開き

寄せ書きを読んでいると

大好きなドラマー、テリーボジオが

ギリシャという言葉を使っているのを見て

驚いた

 

どちらかというとミックのベースは

中近東的と言われ

決してギリシャではない

でも、テリーボジオも

恐らく、ギリシャ神殿のイメージを

彼から受け取っていたんだと思った

そして、テリーボジオもまた

もしかしたら、同じ記憶を持っているのかも

しれないと思った

 

音楽は不思議だ

 

その人の世界観が

音になって出る

 

それが、どんなフレーズでも

 

音の中にいると

人は、肉体の制限を

離れるのかもしれない

 

 

 

仕事として

人の後ろで黙々とドラムを叩いて来た

世界観を表現するという事を

極力殺して来た

 

でも、本当にしたかったのは

この光の世界を

音にする事だったと

最近、思い出して来ている

 

もっと自由で

もっと遊び心にあふれている世界

光と喜びと

夢と現実のはざまのような

気持ちのよい世界

時間も空間も

曖昧な世界

 

そんな音を表現するという

大きな夢があったっけ

 

あと何年生きられるのだろう

 

やっておかないと

後悔するかな

 

ぼちぼちやり始めよう

 

ブックレットの中に

土屋昌巳さんが書いていた言葉が

心に刺さった

 

『音楽をどうやって多くの人に伝えるのか、も確かに大切なことでしょう。

しかし音楽は届けた相手の心の中でどう生き続けるのかが一番重要なのです。

ミックがそれを教えてくれています』

 

 


 

 

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